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コラム

国民健康保険加入者のためのコロナ感染傷病手当金

New! 2021.12.27

〇健康保険制度の概要

75歳未満の方が加入する健康保険は、大きく2つに分かれます。

1つは(社会保険の)健康保険、もう1つは市区町村が運営する国民健康保険です。健康保険は、会社を通して加入します。原則として、週の所定労働時間が30時間以上の方が加入します。加入者が501人以上の会社や、500人以下でも労使合意があれば、週の所定労働時間が20時間以上の方が加入します。

非正規社員等で週の所定労働時間が30時間未満(上記の要件に該当する場合は20時間未満) の方、個人事業主、個人事業などで社会保険に加入していない事業所に勤務する方は、市区町村が運営する国民健康保険に加入することになります。

〇傷病手当金

健康保険には、傷病により勤務できない日が4日以上続き、その間の賃金が支払われない場合、傷病手当金といって、1日あたり賃金のおよそ3分の2を支給する制度があります。

国民健康保険には本来傷病手当金はないのですが、新型コロナウイルス感染症に感染し勤務できなくなった場合は、国民健康保険の加入者でも傷病手当金が支給されるようになっています。

〇支給の対象者

次の全てに該当する人です。

  • (1)国民健康保険の被保険者の方
  • (2)勤務先から給与等の支払いを受けている方(被用者の方)
  • (3)新型コロナウイルス感染症に感染した場合、または、発熱等の症状があり感染が疑われた場合に、その療養のため労務に服することができなかった期間がある方
  • (4)その労務に服することができなかった期間について給与等の全部または一部が支給されない方
健康保険に加入している方は、そちらの傷病手当金が対象です。
「勤務先から給与等の支給を受けている人」とあるので、事業主ご本人は対象外となります。健康保険もそうなのですが、濃厚接触者というだけで、感染も確認されず症状も無い人は対象外です。

なお、この傷病手当金の適用期間は、令和2年1月1日から令和3年12月31日までの間で療養のため労務に服することができない期間(令和3年11月現在)となっています。

〇支給金額

直近の継続した3か月間の給与収入の合計額÷その間の就労日数× 2/3 × 日数 (支給対象となる日数)
で計算された金額です。2/3という部分は、健康保険と同じです。

対象となる日は
「労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、労務に服することができない期間のうち就労を予定していた日」
となっています。最初の3日間が支給対象外になっているところも、健康保険と同じです。

〇申請の方法

まずは、ご自身の加入する国民健康保険の申請用紙を入手しましょう。ほとんどの自治体は、ホームページからダウンロードできるようになっています。賃金額や出勤日は事業主の証明が必要になります。会社に依頼しましょう。また、医療機関で受診された場合は、その機関にも記入を依頼する必要があります。

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