代表あいさつ

労働者法律センター代表   荒木 昭彦(弁護士)

現在、労働組合の組織率は2割以下となり、職場に労働者の味方となる組合がないことのほうが多い現状です。個別の労働紛争が増え、また、職場環境の変化により労働者の生活に関する諸々の問題も増えています。そういう中で、私たち「労法センター」設立当初の問題意識である「働く者の24時間の法律対策部」としての存在意義は少しも減っていないと思います。

労法センターでは弁護士・司法書士・社労士などの法律専門家と労働組合・争議団等が運営委員や相談員として対応しています。いつでも、どこでも、どんな相談でも、「労働者と一緒に考え、一緒に解決の道を探る」をモットーに、相談者にとって最善最良の道を探っていきます。

労働者法律センターを存分に活用して下さい。一同、皆さんの相談をお待ちしています。

 

労法センターができるまで

前代表  内藤 隆 (弁護士)

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労働者法律センター(労法センター)は『労働者の共同の法律対策部』をスローガンとして1972年に結成されました。結成の中心になったのは2人の弁護士でした。事務局はその内の1人の弁護士の法律事務所の一画に置き、初代の 事務局員は反戦デモで逮捕され、解雇された反戦青年委員会の活動家でした。この人は裁判で解雇無効の勝利判決を獲得して原職に復帰しました。
おそらくこの紹介文を見ておられる多くの方が、「反戦青年委員会」とか 「反戦デモ」などの言葉に、あまりなじみはないのではないかと思います。私自身は『デモに参加して逮捕されて解雇された人が、裁判で権利を回復できる時代があったのか…』という、いささかスネた感想を持ちます。

<2>
労法センターの結成のスローガンである『労働者の共同の法律対策部』をもう少し説明すると、「官公労・民間を通じて目覚しい発展を遂げてきた労働法領域における権利闘争が、当時にわかに陰りを強いられたことから、第1に、同じような敗北を繰り返さないために法律領域の戦いの情報の共有化はかることを目指し、また第2に、未組織労働者に対して法律領域の能力を開放し、また既成の労働組合運動の中から立ち上がった職場労働者が独力で法領域の戦いを闘うことを保障することを目指した」ということになります。
これは結成の中心となった弁護士による説明です。固い表現でかえってわかりにくいかもしれませんが、結成の意気込みは十分伝わってきます。
「共同の」とは、一人では無力だが、無力な一人一人の労働者が権利問題について相談し、議論し、権利を行使しよう、そのための場面を設けようという意味と理解しています。
別の表現をすれば、労働組合に参加していない労働者、労働組合というものを知らない労働者、さらには労働者の権利を知らされていない労働者に、労働組合に参加し自らの権利を知る機会と場を保障しようというのが、『共同の法律対策部』の意味です。

<3>
労法センターが結成されてから30年以上が経過しました。労法センター結成後、間もなく三多摩労法センターそして北部労法センターが結成され、現在は、三労法センターとして共同して機関紙・労法センターニュースを月刊で発行し、学習会などを共催し都内の各地の労働者の相談も受けることができるよう三労法センターとして努力しています。
労法センター結成から30年以上の間には、例えば協力関係にある労働組合の労働争議で経営者に対する抗議行動の過程で組合員が一挙に50名余も逮捕され、労法センター活動も大混乱に陥るなどという困難な事態もありました。先端的な労働運動を警察権力によって圧殺しようとするものでした。
今日、労働運動に警察権力が直接対峙する局面はあまりないように思われます。むしろ労働組合への参加率(組織率)が20%を割るという、労働者側の自壊的現象が顕著となっているように思われます。そうであれば、現在こそ労法センターの必要性と存在意義が高まっていると考えます。

<4>
非正規雇用労働者が30%超えると言われ、小零細企業の労働者や大企業の雇用構造の中に、差別と分断が深く進行しているにもかかわらず、これに対抗する労働者の運動は極めて困難な状況にあります。
労法センターは、これまでの約30年の小零細企業の労使関係に関わってきた経験をふまえ、現在の労働者が抱えている困難な状況を打破するため活動したいと思います。
労法センター活動を共有されるよう要請します。

 

組織運営委員

荒木 昭彦 弁護士(第二東京弁護士会所属) 労働者法律センター代表
内藤  隆 弁護士(東京弁護士会所属)
井上 庸一 弁護士(仙台弁護士会所属)
平倉 康司 社会保険労務士
大野  隆 東京統一管理職ユニオン委員長
菅原  実 全労協全国一般東京労働組合元委員長
小野 俊雄 日本郵政公社労働組合元組合員